日本では空家が増え続けています。
今後問題となってくる空家問題にどう対応していったらよいのか?
10月31日のブログ「空家の固定資産税が6倍?」でも記載しましたが、空家に
なった場合、所有者にはどういったデメリットがあるのか?
今回はその辺りをいろいろ説明していきます。
空家の比率は、2013年度の総務省調査によると全国約820万戸、なんと
全住宅の7戸に1戸が空家とういう状況になっています。
このままでは、2033年頃には全国約2150万戸、つまり全住宅の3戸に1戸が
空家になってしまうという予測があるのです!
その大きな原因としては、高齢化社会などが深く関わってきます。
両親が住んでいた家を相続したのは良いのだが、現在は遠方に住んでいるため
放置せざるを得ない。
というようなケースも実際に多々見受けられます。
空家には実は4つの種類があります。
①賃貸用住宅(貸したいのに借りる人がいない)
②売却用住宅(売りたいのに買う人がいない)
③二次的住宅(常時住んではいないが、時々使用されている)
④その他(用途がなく使用されていない、もしくは分類不能)
それぞれに利活用に問題を抱えていますが、①~④の中で一番問題なのは
④その他に分類される空家です。
所有者が亡くなって空家になるケースや、介護施設への入居が決まり空家に
なるケースなども含みます。
所有者がなんらかの原因により空家を利活用できないケースです。
空家が増加していったとしても、他人の家の事で、自分の事じゃないしと
思うかもしれません。
自分にも何か災難が降りかかってこなければ、なかなか問題視されない
ものです。
ましてや、空家がもたらすマイナスの影響は、潜在的に含まれる要素で、空家
になったからと言って絶対に何かが起きるとは限りません。
それにもかかわらず、国が動き出すくらいなので、緊急の課題である事は
確かです。
古くなった家は耐震性能が失われ、巨大地震があれば倒壊は避けれません。
もし震災時に最初に倒壊してしまい、そのせいで重要な道路を塞いでしまう
かもしれず、周辺の住民の避難・救出の障害になる可能性もあります。
つまり、空家を放置することで、近所迷惑になりやすい要素が多く、地域に
よっては、景観上の問題にも発展してしまい、その影響度は大きいと考えら
れています。
不動産管理責任に対しても賠償を負うということにも繋がります。
経年劣化した空家は、次第に崩れていき、倒壊の危険が増えたり、屋根材など
が飛散したりなど、その敷地内だけの影響では収まらなくなっていきます。
人が住んでいないと害虫や害獣の温床になりやすく、やがては周囲へと
広がっていきます。
最近は台風や集中豪雨の被害が多くありますが、そういったケースによる浸水
被害を受けてもそのまま放置されるので、極めて不衛生であり、かつ危険な
状態に変わってしまうのです。
空家は犯罪にも多く利用されてしまいます。
隠れ家や不法侵入、放火されたりなど。
特に空家が多いエリアが犯罪者たちの格好のターゲットになってしまう事から
朽ちた木造住宅は本当に危ないと言えます。
そのため、政府としてもこの問題を放置する事は出来ないのです。
こういった背景の元で空家対策特別措置法がでてきます。
全国にある空家の中で特に危険と指定された空家を「特定空家等」と定義し、
行政の介入による対策に法的根拠を持たせているのです。
固定資産税が6倍が嫌ならば、犯罪の拠点となり得る空家を減らそう!と
繋がっていくのです。
空家対策特別措置法の趣旨は、あくまでも自発的な空家対策を促して、所有者
に解決させようとするものではあります。
しかし、対策を講じない所有者を想定した規定はこそが固定資産税が6倍では
ないでしょうか。
空家の効果的な対策は、こういった「特定空家等」に指定される前段階で、
所有者が住めなくなるだろうの段階で手を打つ事です。
ご自宅を売却するにしても、空家になった時間が長くなれば長くなるほど
家は傷んでくるので、査定価格も大きく下がってしまいます。
空家になった時点で、出来るだけすぐに売却するのがよいでしょう。