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老朽化した空き家の売却の進め方!放置することのリスクや売却の手順について

売却&相続

末廣 美琴

筆者 末廣 美琴

不動産キャリア6年

明るく笑顔で頑張ります!

老朽化した空き家を相続や転居のタイミングで引き継いだものの、どう扱えばよいか分からず、何年もそのままになっていないでしょうか。

放置された空き家は、倒壊リスクや近隣トラブル、行政からの指導だけでなく、固定資産税や維持管理費といった負担も重くなりがちです。
一方で、適切な手順を踏んで売却すれば、資産の整理や将来の相続対策にもつながり、心理的な不安も軽くなります。
今回は、老朽化した空き家を売却すべき理由から、現状確認のポイント、具体的な売却手順、費用や税金・制度の基礎知識まで、初めての方でも分かりやすい流れで解説します。
今の状況を整理し、無理なく一歩を踏み出すための参考にしてください。

老朽化した空き家を売却すべき理由

老朽化した空き家を長期間放置すると、建物の傷みが進み、屋根や外壁の一部落下、倒壊などにつながるおそれがあります。
また、庭木や雑草が伸び放題になると、景観の悪化だけでなく、不審者の侵入やごみの不法投棄を招きやすくなります。
こうした状態が続くと、近隣住民とのトラブルに発展したり、自治体から適切な管理や改善を求める指導を受ける可能性も高まります。
空家等対策の推進に関する特別措置法では、倒壊など周囲に著しく悪影響を及ぼすおそれがある空き家を「特定空家」とし、指導や勧告、最終的には行政代執行による解体まで行える仕組みが定められているため、放置は大きなリスクと言えます。

次に、老朽化した空き家を持ち続ける経済的な負担について考える必要があります。
空き家であっても、土地と建物には毎年固定資産税・都市計画税がかかり、一般的な一戸建て規模でも年間で十数万円程度の負担になるケースがあります。
さらに、草刈りや清掃、雨漏りや破損の簡易補修など、最低限の管理にも費用と手間がかかります。
特定空家に近い状態と判断されると、土地の固定資産税に適用される住宅用地の軽減措置が解除され、税負担が増える可能性もあるため、老朽化した空き家を漫然と維持し続けることは、長期的に見ると大きな経済的デメリットになります。

一方で、老朽化した空き家は、早い段階で売却することで、さまざまなメリットを得ることができます。
まず、将来の補修費や解体費、増加するかもしれない固定資産税などの負担を前倒しで断ち切り、資産を現金化して整理できる点が挙げられます。
総務省の住宅・土地統計調査では、空き家数と空き家率が長期的に増加傾向にあり、直近の調査でも空き家率は約13%台と高い水準にあることが示されていますが、老朽化が進むほど市場で選ばれにくくなるため、時間をかけるほど売却条件が不利になる可能性があります。
また、相続した空き家を売却しておくことで、将来の相続人が老朽化物件の管理や処分に悩まされることを避けられ、相続トラブルや管理責任の分散を防ぐ効果も期待できます。

項目 放置した場合 早期売却した場合
建物老朽化リスク 倒壊や破損拡大 老朽化リスク解消
近隣・行政対応 苦情や指導の懸念 トラブル要因の解消
税金・維持費 固定費負担の長期化 将来負担の早期遮断
資産・相続対策 管理責任の先送り 資産整理と相続軽減


老朽化空き家の現状確認と売却方針の決め方

まずは、老朽化した空き家について、建物や敷地の状況を客観的に把握することが大切です。
屋根や外壁の劣化、雨漏りや傾きの有無といった構造面に加え、給排水や電気設備の状態も確認しておくと、後の売却方針を検討しやすくなります。
併せて、敷地の境界標や通路の位置なども点検し、隣地との越境や通行に関する問題がないかも見ておく必要があります。
さらに、登記簿で所有者や地目を確認し、相続登記が済んでいない場合は、法務省が示す相続登記の申請義務の内容を踏まえ、早期に手続を進めることが重要です。

そのうえで、「古家付き土地」として建物を残したまま売却するのか、「解体更地」として土地のみを売却するのかを比較検討します。
建物の老朽化が進み、耐震性や安全性に問題がある場合、買主側で大規模な修繕が必要となることが多いため、更地にした方が需要を見込める場面もあります。
一方で、解体費用は所有者の負担となるのが一般的であり、老朽化の程度や建物規模によっては数十万円から百万円単位の支出となる可能性があります。
解体費用と、更地にすることで期待できる売却価格や売却のしやすさを比較し、総額でどちらが有利かを冷静に判断することが大切です。

また、空き家対策特別措置法では、周囲に悪影響を及ぼす状態の空き家を「特定空家等」と位置付け、必要に応じて市町村が助言や指導、勧告、命令、さらには行政代執行による除却まで行える仕組みが設けられています。
放置して建物の倒壊や衛生上の問題が懸念される状態になると、固定資産税の住宅用地特例が適用除外となるなど、経済的な負担が増えるおそれもあります。
そのため、草木の伐採や簡易な補修、定期的な換気など、所有者として可能な範囲で管理を行い、特定空家等に該当しないよう注意することが重要です。
空き家の実態や空き家率は、総務省統計局の住宅・土地統計調査でも重視されており、今後も管理や活用がますます求められる流れにあるといえます。

確認内容 主なチェックポイント 売却方針への影響
建物・設備の状態 老朽化の程度・安全性 古家付きか更地かの判断材料
敷地・境界の状況 越境・通路・境界標 測量や是正工事の要否
権利関係・相続登記 名義一致・相続登記状況 売却手続の可否と必要期間
空き家の管理状況 雑草・ごみ・倒壊危険 特定空家等指定リスク


老朽化した空き家を売却する具体的な手順

老朽化した空き家を円滑に売却するためには、まず相続登記や名義確認など権利関係を整理しておくことが重要です。
相続登記については、法務省が相続登記の申請義務化を公表しており、今後は放置することで過料の可能性も生じます。
また、固定資産税の課税明細や建築確認資料、建物の設計図・工事請負契約書など、手元にある関連書類を一度整理しておくと、その後の査定や説明がスムーズになります。
さらに、隣地所有者との境界に関する認識を確認し、必要に応じて測量図や境界確認書を用意しておくことで、売却時のトラブル予防につながります。

売却の基本的な流れは、おおまかに価格の検討、購入希望者への情報提供と内覧対応、契約締結、引き渡しという順序になります。
価格の検討にあたっては、周辺の成約事例や空き家の老朽化状況、解体費用の見込み額などを踏まえて、現実的な水準を考えることが大切です。
内覧では、安全性を確保したうえで、建物の傷みや設備の不具合などを隠さずに説明し、必要に応じて「古家付き土地」として現況渡しとするかどうかを整理します。
売買契約後は、代金決済日までに抵当権の抹消や不要物の撤去などを済ませ、引き渡し時には鍵や関係書類を一式そろえて手交します。

老朽化が進み、解体を前提とした売却を検討する場合は、解体工事の見積を複数社から取り寄せ、費用と工期の目安を把握しておくことが重要です。
自治体によっては、空き家の解体費用の一部を助成する補助制度を設けている例があり、条件や申請時期、対象工事の範囲などを事前に確認しておくことで、自己負担額を抑えられる可能性があります。
また、解体後に更地として売却するのか、買主側が解体する前提で現況のまま引き渡すのかによって、契約内容や引き渡し時期、負担する費用の範囲が変わります。
このため、解体工事の実施時期と売買契約・引き渡しのスケジュールを無理のないように調整し、重要事項として事前に整理しておくことが大切です。

手順の段階 主な確認事項 注意しておきたい点
事前準備段階 相続登記と境界確認 権利関係と測量図整理
売却活動段階 価格設定と内覧対応 老朽化状況の正確説明
解体検討段階 見積取得と補助金確認 工事時期と引渡時期調整

老朽化空き家の売却で押さえたい費用・税金・制度

老朽化した空き家を売却する際には、売却代金がそのまま手元に残るわけではなく、さまざまな費用が差し引かれることを理解しておく必要があります。
代表的なものとして、名義変更などの登記費用、境界を明確にするための測量費、老朽化が著しい場合の解体費用、仲介手数料などの譲渡費用が挙げられます。
これらは一般に「譲渡費用」として譲渡所得の計算上、売却代金から差し引くことができますが、それぞれ支払い先や金額の目安、支払時期が異なります。
そのため、売却を検討する段階で、見積書や概算額を把握し、手取り額のイメージを早めに持っておくことが大切です。

空き家を売却して利益が出た場合には、原則として譲渡所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算し、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が変わります。
さらに、一定の要件を満たす相続した空き家を売却した場合には、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる特例が設けられており、国税庁の税務解説でも、この特別控除の対象要件や適用期限が示されています。
控除を受けるためには、耐震性の基準や譲渡価格の上限、相続開始から売却までの期間など、細かな条件を満たす必要がありますので、事前に最新の税制を確認し、適用の可否を慎重に検討することが重要です。

老朽化空き家の解体費用や活用に関しては、国の支援を受けて自治体が実施する補助金制度が多数あり、その一部は国土交通省の空き家対策支援事業を財源としています。
ただし、具体的な補助金の内容や金額、対象となる空き家の条件、募集期間などは自治体ごとに異なります。
そのため、売却や解体を検討するときには、お住まいの自治体の公式ホームページや空き家相談窓口で、解体や除却に関する補助制度、空き家対策に関する支援メニューなどを必ず確認することが大切です。
あわせて、申請期限や必要書類、工事の着手時期などの要件を確認し、売却スケジュールと補助金の利用条件が矛盾しないように計画を立てることが望ましいです。

項目 主な内容 事前確認のポイント
売却時の諸費用 登記費用や測量費 見積取得と支払時期
税金・特別控除 譲渡所得税と3,000万円控除 適用要件と必要書類
補助金・支援制度 自治体の解体補助など 対象条件と申請期限


まとめ

老朽化した空き家は、倒壊リスクや近隣トラブル、行政指導だけでなく、固定資産税や維持管理費といった経済的負担も重くなりがちです。
早めに現状を確認し、古家付き土地として売るか、解体更地にして売るかの方針を決めておくことで、資産整理や相続対策もスムーズに進みます。
空き家対策特別措置法や税金・補助金の制度は複雑なため、自己判断だけで進めると損をしてしまう可能性もあります。
老朽化した空き家の売却でお悩みの方は、お気軽に不動産コンサルティングへご相談ください。

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