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相続不動産は、相続登記をしよう。名義変更など相続手続きと必要書類について解説

売却&相続

末廣 美琴

筆者 末廣 美琴

不動産キャリア6年

明るく笑顔で頑張ります!

親から不動産を相続したものの、このまま所有を続けるべきか、それとも売却した方が良いのかと悩んでいませんか。

相続に関わる手続きは、名義変更や相続登記、相続税など専門用語も多く、どこから手を付ければよいのか分かりにくいものです。
さらに、名義変更前の状態で売却を進めてよいのか、放置するとどのようなリスクがあるのかも、気になる方も多いと思います。
今回は、相続で得た不動産を売却する前に知っておきたい基本から、名義変更と売却の具体的な手続き、必要書類、注意点についてまとめました。

相続不動産を売却する前に確認すべき基本

相続で不動産を受け継いだ場合、売却までの大まかな流れは、相続人や遺言の確認、遺産分割協議を行い、その内容に基づいて相続登記を申請し、名義変更を完了させてから売却活動に進む形になります。
その後に価格の検討や媒介契約、買主との売買契約、決済と所有権移転登記という順番で進めるのが一般的です。
この一連の手続きは、相続税や譲渡所得税の申告時期とも密接に関係しますので、全体像を意識して計画的に進めることが大切です。
まずは相続関係と名義の整理を起点に、売却までの流れを押さえておきましょう。

不動産を売却するためには、登記簿上の所有者と実際に売却する人が一致している必要があり、相続登記による名義変更を済ませなければ買主への所有権移転登記ができません。
売買契約自体は当事者の合意で成立しますが、名義が被相続人のままでは決済時に所有権を移せず、引き渡しや代金支払いに支障が生じるおそれがあります。
また、登記簿上の名義が古いままだと、金融機関の融資審査が進まないなど取引全体に影響します。
このため、相続不動産の売却では、名義変更を前提とした手続き計画を立てることが重要です。

相続登記は、2024年4月1日から法律上の義務となり、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に申請しなければならないとされています。
正当な理由なく相続登記をしない場合、裁判所が過料を科すことがあり、登記を放置することは経済的な不利益につながる可能性があります。
さらに、相続登記を長期間行わないと、相続人が増えて権利関係が複雑になり、売却の合意形成が難しくなるなど、実務上のリスクも大きくなります。
こうした点からも、相続不動産を売却するかどうかにかかわらず、早期に相続登記を行うことが望ましいといえます。

段階 主な手続き内容 注意すべきポイント
相続関係の整理 相続人確定と遺言確認 相続人全員の把握徹底
名義変更 法務局で相続登記申請 取得から3年以内申請
売却手続き 価格決定と契約決済 名義変更完了後に実施

名義変更前に必要な相続手続きと準備書類

相続不動産を売却するためには、まず誰が相続人かを正確に確定することが重要です。
被相続人の戸籍を出生から死亡までさかのぼって取得し、法定相続人を漏れなく把握します。
あわせて、公正証書遺言などの遺言書の有無を確認し、その内容に沿って分け方を整理する必要があります。
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産を誰がどのように取得するかを話し合って書面にまとめておくことが、後の登記や売却手続きの前提になります。

相続登記の申請時には、いくつかの基本的な書類を事前に準備しておく必要があります。
一般的には、被相続人の戸籍謄本一式や相続人全員の戸籍謄本、住民票など、相続関係を証明する書類が求められます。
遺産分割協議で持ち分や取得者を決めた場合は、相続人全員が署名押印した遺産分割協議書と、その印鑑証明書を添付することが必要です。
あわせて、対象不動産の固定資産評価証明書や固定資産課税明細書を用意しておくと、登録免許税の算出や申請書作成をスムーズに進めやすくなります。

相続人が複数いる場合、不動産の名義を誰か1人の単独名義にするか、共有名義にするかで、その後の売却のしやすさが大きく変わります。
単独名義で登記した場合は、原則として名義人の判断で売却手続きを進めやすく、意思決定も比較的簡単です。
一方、共有名義のままにすると、原則として共有者全員の同意がなければ不動産全体を売却できず、売却時期や条件の調整に時間がかかるおそれがあります。
このため、売却を視野に入れている場合には、遺産分割協議の段階で単独名義とするか共有名義とするかをよく検討し、後々の売却方針も含めて合意を整えておくことが大切です。

手続き段階 主な内容 売却への影響
相続人の確定 戸籍収集による相続人把握 協議参加者の漏れ防止
遺産分割協議 単独名義か共有名義か決定 売却の意思決定のしやすさ
相続登記準備 戸籍類や評価証明書の取得 名義変更と売却準備の効率化

相続不動産の名義変更から売却までの具体的手続き

相続した不動産を売却するためには、まず法務局で相続登記を行い、名義を被相続人から相続人へ移す必要があります。
相続登記の申請では、被相続人の登記簿上の情報と、相続人を確定する戸籍関係書類、遺産分割協議書などをそろえたうえで申請書を作成します。
登録免許税は、不動産の固定資産税評価額に税率を乗じて計算され、相続登記の場合は税率は原則として評価額の0.4%とされています。
このほか、戸籍謄本や評価証明書の取得費用、司法書士へ依頼する場合の報酬などが加わるのが一般的です。

名義変更が完了したら、次に不動産の売却手続きに進みます。
まず、不動産の現況や周辺の成約事例などを踏まえて売却希望価格を検討し、売却の方針を固めます。
売却条件がまとまったうえで売買契約書を作成し、手付金の授受や引渡し時期、残代金の支払方法などを取り決めます。
決済日には残代金の授受と同時に所有権移転登記の申請書類を整え、買主への名義変更が行われる流れです。

相続不動産を売却する場合には、相続税と譲渡所得税の2つの税金が関係します。
相続税の申告と納付は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内が期限とされています。
一方、譲渡所得税は、不動産を売却した年分の所得として扱われ、売却した年の翌年に行う所得税の確定申告で申告と精算を行います。
申告の時期を誤ると加算税や延滞税の負担が生じるおそれがあるため、売却スケジュールと合わせて税金の申告期限も意識しておくことが大切です。

手続き段階 主な内容 おおよその時期
相続登記申請 必要書類収集と法務局申請 相続発生から概ね数か月
売却契約・決済 価格決定と契約締結・引渡し 名義変更完了後に順次
税金の申告 相続税と譲渡所得税の申告 相続開始後10か月以内ほか

相続不動産を安全・スムーズに売却するための注意点

相続した不動産を売却する際は、名義変更前に買主と売買契約を結ばないことが重要です。
名義が被相続人のままでは、所有権移転登記ができず、売却代金の支払い時期や引渡し時期にも大きな支障が生じます。
また、相続登記の申請は相続開始を知った日から原則3年以内に行う義務があり、怠ると10万円以下の過料の可能性があるとされています。
売却を急ぐ場合でも、まずは相続人の確定と遺産分割協議、相続登記を完了させてから売却活動に進めるよう注意が必要です。

共有名義の相続不動産を売却するには、相続人全員の同意が必要とされています。
相続人の一部が行方不明の場合や、連絡が取れない場合には、家庭裁判所で不在者財産管理人の選任を申し立てるなど、追加の手続きが必要となることがあります。
また、名義人が認知症などで判断能力が不十分な場合には、成年後見制度の利用を検討し、後見人による売却手続きとすることが一般的です。
このような複雑なケースでは、時間と費用が余分にかかる可能性を見込んで、早めに動き始めることが大切です。

相続登記や売却の手続きに不安がある場合は、内容に応じて適切な専門家へ相談することが有効です。
不動産の相続登記については司法書士、相続税や譲渡所得税の申告については税理士、相続人間の紛争や複雑な法律問題がある場合には弁護士が主な相談先として挙げられています。
相談の際には、不動産の登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、相続人の関係が分かる戸籍類、遺産分割協議書案などを可能な範囲で準備しておくと、状況の整理が進み、具体的な助言を受けやすくなります。
誰に何を相談するかを整理しながら、無理に自己判断で進めないことが、安全でスムーズな売却につながります。

場面 主なリスク 意識したい対策
名義変更前に契約 登記不可・契約不履行 相続登記完了後に契約
共有名義での売却 一部相続人の不同意 事前の合意形成と説明
行方不明・認知症のケース 売却手続きの長期化 裁判所手続きと専門家相談
専門家に相談しない場合 税務・法律上の見落とし 早期の相談と資料準備


まとめ

相続不動産を売却するには、相続人の確定や遺産分割協議を行い、その内容をもとに相続登記で名義変更を済ませることが出発点となります。
相続登記は2024年4月から義務化され、放置すると罰則の可能性もあるため、早めの対応が重要です。
売却までには価格の検討、契約、決済、税金の申告など多くのステップがあり、共有名義や行方不明の相続人など複雑なケースでは一層注意が必要です。
弊社には不動産コンサルティングマスターも在籍しています。手続きに不安がある方は、相続登記から売却について一連の流れをサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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